shuの山日記

山行記録を公開しています。

夏の至仏山(中編)

7月1日に至仏山(標高2228m、日本百名山)を歩いて来た。前編では鳩待峠から山ノ鼻に出て、尾瀬ヶ原と研究見本園を歩いたことを書いた。中編ではいよいよ至仏山に入る。(地図と写真はクリックすると大きくなります。)

ではスタートしよう。
山ノ鼻の研究見本園の奥にある、登山口に7時44分に到着した。ここから東面登山道を通って山頂に向かう。登山口に看板が立っており、『山ノ鼻~至仏山頂は「上り」で利用し、「下り」には利用しないで下さい』と書いてあった。
理由は高山植物の保護のためとあるが、蛇紋岩の岩場は滑り易く、下りでの事故を防ぐ意味合いもあるのではないかと思う。

登山道は初めのうちコメツガやオオシラビソなどの針葉樹の森の中を進む。山頂まで標高差820mあまりを、3時間かけてゆっくり登る予定でいた。

歩き始めて40分で、標高1650m付近の森林限界に達した。至仏山は蛇紋岩質なので植物が育ちにくく、本州の山としては森林限界が低いようだ。森林限界を越えると尾瀬ヶ原が見えてきた。

・蛇紋岩の岩肌

ここまでの樹林帯の中で観た花は、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、キジムシロ、(ミヤマ)ダイモンジソウ、ベニサラサドウダン、ウラジロヨウラク、ナナカマドの7種だった。

・ウラジロヨウラク

森林限界を越えた後、岩場や鎖場が数ヶ所あるが、ドライなコンディションでは危ないところはなかった。

標高を上げるにつれ、尾瀬ヶ原を見下ろすようになってくる。燧ヶ岳はもとより、会津駒ヶ岳や帝釈山らしき山も見えていた。また山ノ鼻の建物群もしっかり見えていた。

お花はというと、岩場に入って種類が増えてきた。写真に収めたものを順に上げると、ハナニガナ、イワシモツケ、ミヤマダイモンジソウ、イワカガミ、ユキワリソウ、チングルマ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンチドリ、タカネシオガマ、ジョウシュウアズマギク、ホソバヒナウスユキソウ、ジョウエツキバナノコマノツメ、ミツバノバイカオウレン、タカネシュロソウと15種あった。

・ホソバヒナウスユキソウ(上)とジョウシュウアズマギク(下)

・ユキワリソウ

右手に平ヶ岳や越後三山が見えてきたら、そこからひと登りで頂上に達した。頂上到着は10時52分、登山口から3時間8分掛った。

夏の至仏山(後編)に続く。

夏の至仏山(前編)

至仏山(標高2228m、日本百名山)の登頂は、昨春に続いて5回目になった。そのうち3回は春山(積雪期)で、夏の至仏山は2017年以来の2回目だ。夏シーズンは山ノ鼻からの登りが一方通行になる。そのため前回同様に、鳩待峠から尾瀬ヶ原に出て、山ノ鼻から登って鳩待峠へ下りるという、反時計回りの周回ルートを採った。(地図や写真はクリックすると大きくなります。)

YAMAPの歩跡に至仏山から小至仏山までの記録がない。誤ってアプリを閉じてしまっていたようだ。
さて今回の山行の目的だが、1つは北アルプス縦走に向けての体力作りで、もう1つは高山植物の撮影だった。後者は雪解け直後のこの時期でしか叶わない。撮った写真は「shuの花日記」に詳録するので、ここでは登山の様子と、この時期の代表的な花のいくつかを、前編・中編・後編に分けてご覧いただこうと思う。

では、スタートしよう。
尾瀬第一駐車場を出発する始発のバスに乗り、5時55分に鳩待峠のバス停に到着した。ここでYAMAPのログをスタートした。30ほどのハイカーがここ鳩待峠から、西の至仏山、北の尾瀬ヶ原、東のアヤマ平に向けて散っていく。私は数人の後に続いて尾瀬ヶ原へ向かった。

 

前夜の雨は上がっていたが、道は水を含み踏み石や木道は濡れていた。注意深く坂を下った。先行者との距離を空けたので、聞こえるのは鳥の囀りだけだった。

足元におよそ7割、前方に1割の視線を向けて、残りの2割で道端の花を探した。
先月咲いていたスミレの花は消えていた。そして、まっ先に観たのがゴゼンタチバナだった。
・ゴゼンタチバナ

続いて観たのがモミジカラマツだった。鳩待峠近くではモミジカラマツが観られ、尾瀬ヶ原に近付くとミヤマカラマツが観られた。
・モミジカラマツ

・ミヤマカラマツ

その他には、ヤグルマソウ、ズダヤクシュ、ミツバノバイカオウレン、コバイケイソウ、アズマシャクナゲ、ミズキの花が観られた。
・アズマシャクナゲ

7時1分に山ノ鼻に到着した。この時間すでにビジターセンターが開いていた。センターの建物の横で朝食を摂った。
食事を済ませて尾瀬ヶ原を少し歩き、至仏山の写真を撮った。

この時期、尾瀬ヶ原を代表する花は、カキツバタとヒオウギアヤメだ。遠くに群生している姿が見えた。木道近くに咲いているカキツバタを撮った。
・カキツバタ

山ノ鼻に戻り、研究見本園を回って至仏山へ向かうことにした。

研究見本園でもカキツバタが群生していた。手前にヒオウギアヤメが咲いていたが、写真には写っていない。

これから登る至仏山、手前にコバイケイソウ。ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)が咲き出していた。

東に目を向けると、燧ヶ岳がよく見えていた。

研究見本園で、カキツバタ、ヒオウギアヤメ、コバイケイソウ、ゼンテイカ、ギョウジャニンニク、カラマツソウ、ウラジロヨウラクの花を観た。

・ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)

研究見本園を半周歩いて、7時44分に登山口に到着した。

夏の至仏山(中編)に続く。

平標山

2年振りに平標山(標高1984m)を歩いた。当初谷川岳を計画していたが、天気が悪そうなので、平標山に変えての山行だった。(地図や写真はクリックすると大きくなります。)

6月24日、6時40分に平標山登山口を出発。

 

4合目までは急登が続く。とにかくゆっくり登ることを心がけた。

 

途中のヤマツツジが見頃だった。

 

8時ちょうどに4合目に到着。鉄塔のたもとにザックを下ろして休憩した。

 

4合目から9合目までは、花の楽園だ。詳細は「shuの花日記」に記すが、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、アカモノ、ツマトリソウ、ミヤマカラマツ、ベニドウダン、ウラジロヨウラク、ハクサンシャクナゲなどが次々と現れて、先へ進めなかった。

・アカモノ(赤物、Gaultheria adenothrix、ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木)

・ベニドウダン(紅満天星・紅灯台、Enkianthus cernuus f. rubens、ツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木)

・ハクサンシャクナゲ(白山石楠花、Rhododendron brachycarpum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)

8時45分に松手山を通過した。

7合目を過ぎるとお花はさらに増えた。先に挙げた花々に加えて、ハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、エチゴキジムシロ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンフウロなどが観られた。9合目付近のハクサンイチゲの群落は、盛期が過ぎていた。これまで何度か観ていた、オノエランとナエバキスミレが観られなかったのは残念だった。

・ヨツバシオガマ(四葉塩釜、Pedicularis japonica、ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)

 ・ハクサンチドリ(白山千鳥、Dactylorhiza aristata、ラン科ハクサンチドリ属の多年草)

10時までに山頂に着けば仙ノ倉山へ行くつもりだった。ところがお花の撮影に時間がかかり、山頂についたのは10時12分になった。仙ノ倉山は雲の中だったことや、これまで2度登っているので、今回は途中のコルまで下りて引返すことにした(実際はコルに着く前に引返した)。

平標山の東斜面(仙ノ倉山との間のコル付近)に広がるお花畑には、ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、チングルマ、エチゴキジムシロ、イワカガミなどが群生している。やや盛期を過ぎている感は否めなかったが、きれいな花もたくさん観られた。

・ハクサンイチゲ(白山一花・白山一華、Anemone narcissiflora、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草) 

・チングルマ(珍車・稚児車、Geum pentapetalum、バラ科ダイコンソウ属の落葉小低木)

・イワカガミ(岩鏡、Schizocodon soldanelloides、イワウメ科イワカガミ属の常緑の多年草)

・タテヤマリンドウ(立山竜胆、Gentiana thunbergii var. minor、リンドウ科リンドウ属の越年草)

たくさん写真を撮っていたら、カメラのバッテリーが切れてしまった。先日の白山行では予備のバッテリーを持っていたが、今回は忘れてしまった。

帰路は平標山の山頂まで登り返し、周回ルートを通って下山した。途中のベンチで昼食を摂った。
この後の写真はスマホで撮った。

・イワイチョウ(岩銀杏、Nephrophyllidium crista-galli、ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草)

下山途中、仙ノ倉山の方角(p2021)に掛っていた雲が少し取れた。しかしこれ以上晴れることはなく、やがて厚い雲に被われた。やはり下山して正解だったようだ。

平標山の家を11時30分に通過。

下山中に樹林帯に入ってからランの仲間を注意深く探して歩いたが、見つけることは出来なかった。ギンリョウソウがいくつか咲いていた。
・ギンリョウソウ(銀竜草、Monotropastrum humile、ツツジ科ギンリョウソウ属の多年草)

 

12時15分に林道(平元新道登山口)に出た。そこからひたすら林道を歩き、13時8分に平標山登山口の駐車場に戻った。

温泉はこれまで猿ヶ京温泉の「満天の湯」か、越後湯沢に向かい「街道の湯」を利用していたが、今回初めて苗場温泉の「雪ささの湯」を利用した。源泉掛け流しのナトリウム・カルシウム塩物・硫酸塩温泉で、見るからに鉄分の多い泉質だった。

平標山(完)

白山 砂防新道 花散策

6月16日、別当出合を6時に出発して、甚ノ助避難小屋まで砂防新道を歩いた。目的はこの時期に咲くイチヤクソウ属とラン科の花を観ることだった。(地図や写真はクリックすると大きくなります。)

今年は昨年と比べると2~3週間ほど雪解けが早い印象だった。昨年7月初めに歩いた時は、甚ノ助までの間に2ヶ所雪が残っていたが、今年は2週間前だというのにすべて消えていた。

山開き前なので別当出合は閑散としていた。駐車場に車が多かったことから、日帰りで山頂を目指すハイカーが、既に大勢出発しているのだろう。

 

この日撮った写真のほとんどが花で、他はほとんどない。甚ノ助避難小屋からパノラマ写真を2つ撮ったので、それを挙げておきたい。
何かの参考になるかもしれないので、山名を書いたものも併示する。

観察した花については「shuの花日記」に後日掲載するが、観たかったイチヤクソウ属とラン科の花を、ここにも上げておきたい。

・ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草、Pyrola asarifolia subsp. incarnata、ツツジ科イチヤクソウ属の多年草)。イチヤクソウは観られなかったが、ベニバナイチヤクソウが観られた。

・コケイラン(小蕙蘭、Oreorchis patens、ラン科コケイラン属の多年草)。3ヶ所で観ることが出来た。

・サイハイラン(采配蘭、Cremastra appendiculata var. variabilis、ラン科サイハイラン属の多年草)。昨年と同じ場所に咲いていた。

・ハクサンチドリ(白山千鳥、Dactylorhiza aristata、ラン科ハクサンチドリ属の多年草)。2ヶ所で観ることができた。

・ノビネチドリ (延根千鳥、Neolindleya camtschatica、ラン科ノビネチドリ属の多年草)。今年も別当出合避難小屋の前に咲いていた。

11時ちょうどに下山して、地元の「比咩の湯」で汗を流し、千葉の自宅に21時に帰ってきた。山歩きでは疲れなかったが、下山後のクルマの運転は疲れた。10日は休養に充てた。

白山 砂防新道 花散策(完)

尾瀬ヶ原散策(後編)

私にとっての最初の尾瀬行は2017年で、僅か9年前でのことある。三平峠から入山し、尾瀬沼でテントを張り、雪が残る燧ヶ岳に登った。爾来尾瀬の魅力に嵌まり、毎年何度か出かけている。今年は尾瀬が初めてのM氏夫妻を誘って、私自身初めての尾瀬での小屋泊りとなった。
宿泊した燧小屋は、尾瀬にハイカーが増えた昭和30年代に開業している。同じ時期に原の小屋、尾瀬小屋も開業し、現在の見晴の景観はその頃にできあがったようである。
私にとって燧小屋は、宿泊は初めてだが、見晴のテント場の受付がここなので、何度も顔を出していたところだった。(写真や地図はクリックすると大きくなります。)

 

さて尾瀬行2日目の、6月9日の朝は、前夜に降り出した雨がまだ残っていた。予報では7時過ぎに止むとのことで、6時からの朝食を終えたら、雨が止むのを待って出発しようと話していた。燧小屋の食事は期待していた以上に豪華で、ご飯をお代わりして食べた(写真は朝食)。日持ちする食材はヘリで揚げるようだが、卵や野菜は鳩待峠から歩荷で運ぶそうだ。

7時に外に出ると雨が止んでいた。肌寒いので全員がレインウエアの上を着て出発した。
見晴十字路近くの彌四郎小屋の脇にイワツバメが集まり、何やらついばんでいた。

さて、2日目の行程だが、見晴十字路を北に向かい、東電小屋分岐を左に折れ、東電小屋を目指す。ヨッピ吊橋を渡り、牛首分岐で前日に歩いたルートに合流し、そこから鳩待峠までは前日に歩いた道だ。

東電小屋分岐まで来たところで、雨が降ってきた。レインウエアの下を履き、ザックカバーを着けた。

只見川に架かる東電尾瀬橋を渡る。水が勢いよく流れていた。

 

東電小屋に7時43分に到着し、10分間トイレ休憩を取った。東電小屋を出てヨッピ吊橋へ向かう。

ヨッピ吊橋には8時15分に到着した。ハイカーに人気のある吊り橋だが、この時間は誰もいなかった。


ヨッピ吊橋を過ぎると、左側に高層湿原と池沼が、右側に森のある風景が続く。カッコウの鳴き声を聞きながら、木道をひたすら南西に向かう。
途中にあった、雨に濡れたベンチに腰掛け、しばらく池沼を眺めていた。ミツガシワが咲いていた。遠くにレンゲツツジの紅色が見えた。

夏になるとニッコウキスゲが見られる道だが、今の時期は花が少ない。いちばん多く見たのがヒメシャクナゲ(姫石楠花、Andromeda polifolia、ツツジ科ヒメシャクナゲ属の常緑小低木)だった。タテヤマリンドウ(立山竜胆、Gentiana thunbergii var. minor、リンドウ科リンドウ属の越年草)も多く見たが、花は閉じていた。ワタスゲ(綿菅、Eriophorum vaginatum、カヤツリグサ科ワタスゲ属の多年草)の綿毛も所々で見られた。

木道の間に残っていたミズバショウとリュウキンカも所々で見た。スミレの仲間もよく見かけた。
下の写真の植物は、当初名前が分からなかったが、ハクサンタイゲキの変種のオゼヌマタイゲキとのことだった。ウィキペディアでは、オゼヌマタイゲキはハクサンタイゲキの別名扱いになっている。
・オゼヌマタイゲキ(尾瀬沼大戟、Euphorbia togakusensis var. ozense、トウダイグサ科トウダイグサ属の多年草)

それ以外はと言うと、僅かにイワカガミを見つけたのが嬉しかった。

9時9分に牛首分岐を通過し、山ノ鼻に9時37分に到着した。計画ではここで昼食の予定だったが、まだ早いのでトイレ休憩だけを取り、そのまま鳩待峠へ向かった。行きと比べると全員のペースが速くなってきていた。
鳩待峠に向かう道は、ツアーの団体が多くいて渋滞気味だった。そのため私たちのペースも遅くなり、疲れが少なかったように思う。全員元気で10時59分に鳩待峠に着いた。
鳩待峠で「花豆ソフトクリーム」を食べ、乗り合いタクシーで戸倉に戻った。
M夫妻を沼田駅へ送る途中で、国道120号沿いにある「そばグルメ花咲」で昼食を摂り、昭和村にある日帰り温泉「昭和の湯」で汗を流した。
M氏夫妻を沼田駅で降ろし、無事に今回の尾瀬行を終えることが出来た。

尾瀬ヶ原散策(完)

尾瀬ヶ原散策(前編)

6月8日、9日で、勤めていた会社の同期生・M氏夫妻を誘って、尾瀬ヶ原を歩いて来た。その様子を前編(出発から宿泊地の燧小屋)と、後編(燧小屋から旅の最終地まで)の2回に分けてご覧いただこうと思う。M氏は誰もが認めるいい男であるが、同期生の間では雨男と認められていた。そこでこの尾瀬行はきっと雨だと揶揄されていた。
案の定出発の前日に関東地方が梅雨入りし、2日間の天気予報は晴れからくもりに、くもりから小雨の様相に変わった。しかし私の20回ほどの尾瀬の経験では、尾瀬は晴れの予報でも雨が降るところだ。山初心者のM氏には、雨具と靴の用意だけはしっかりしてくるよう、助言しておいた。(地図や写真はクリックすると大きくなります。)

6月8日7時30分、前橋市内のホテルでM氏夫妻をピックアップし、尾瀬戸倉に向かった。天気はくもりで、何とかこのまま持って欲しいと願う。9時前に戸倉第一駐車場に到着。駐車場はずいぶん空いていた。乗り合いタクシーが、定員の9名になるのを待って、9時20分に駐車場を出た。

9時40分に鳩待峠の駐車場に到着。ザックを担いで鳩待峠へ向かう。休憩場(はとまちベース)が新しくなっていて、古い建物は壊されていた。濡れている石や木道が滑り易いことを伝えて、山ノ鼻へ向けて出発した。

幸いこの時間は日帰りの個人客や、泊まりのツアー客などの入山は少なく、ゆっくりしたペースで1時間20分ほどかけて山ノ鼻まで歩いた。途中に咲いていた花の詳細は「shuの花日記」に譲るとして、そのうちのいくつかを紹介したい。

・ノビネチドリ(延根千鳥、Neolindleya camtschatica、ラン科ノビネチドリ属の多年草)。

・ズダヤクシュ(喘息薬種、Tiarella polyphylla、ユキノシタ科ズダヤクシュ属の多年草)。「ズダ」は頭陀袋の「ズダ」だと思っていたが、「喘息」から来ているとのことだ。

・オオサクラソウ(大桜草、Primula jesoana var. jesoana、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)。尾瀬エリアでの自生地は限られている。

・サンリンソウ(三輪草、Anemone stolonifera、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草)。ニリンソウと似ているが、葉柄の有無で区別できる。

・スミレの仲間(ツボスミレ、オオバタチツボスミレ、オオバキスミレ)

10時40分に山ノ鼻に着き、まっ先にビジターセンターに立ち寄った。そこでM氏夫妻にこの時期に尾瀬ヶ原で見られる花を説明した。奥様が興味を持って聴いてくれた。
続いて11時から至仏山荘で昼食。私はスタミナ丼を注文した。ゆっくり食事を済ませ、ミズバショウを求めて研究見本園へ向かった。
歩き出すとしばらくして、2羽の小鳥が近くへ来た。巣立ったばかりのホオアカのようだった。

さて、お待ちかねのミズバショウ(水芭蕉、Lysichiton camtschatcensis、サトイモ科ミズバショウ属の多年草)だが、今年は平年より2週間ほど早く、大半が花の時期を過ぎていた。但しここ研究見本園の西側の一帯は、尾瀬ヶ原の中では遅くまで雪が残るので、ミズバショウの花も若干残っていた。

ミツガシワ(三槲、Menyanthes trifoliata、ミツガシワ科ミツガシワ属の多年草)もきれいだった。

研究見本園を半周歩いて、山ノ鼻に戻り、そこから牛首分岐へと向かった。ところが牛首分岐で休憩する際にコーヒーを飲む計画だったものを、山ノ鼻で水を汲むのを忘れて、私が一人山ノ鼻に戻った。幸い他のメンバーはゆっくり歩いてくれていて、早めに追いつくことが出来た。
牛首分岐に着く前に、景色が良いところにベンチがあったので、そこでコーヒーを飲むことにした。ガスコンロでお湯を沸かし、コーヒーを淹れた。カップケーキも用意していたので、良いコーヒータームが持てた。ところが出発間際にツアーの団体が来て、さらに雨が降り出したので、出発は忙しかった。

 

その後は、牛首分岐では休まず、ミズバショウ群生地の下の大堀川には立ち寄ったものの長居はせず、龍宮の水の湧き出し口もさっと見ただけで、100円玉を握りしめて龍宮小屋の裏手にある公衆トイレに駆け込んだ。コーヒーの利尿作用が利いたようだった。 

龍宮小屋の前で少し休み、宿泊地の見晴にある燧小屋に向かった。燧小屋には14時40分に着いた。入浴は16時から、夕食は17時からなので、先ずは持参した缶ビールとつまみで乾杯となった。一人2本があっと言う間に空になった。
お風呂は檜風呂で、とても気持ちが良かった。風呂上がりに売店で350mlの缶ビールを買って飲んだ。夕食も豪華で、今度は500mlの缶ビールを購入して飲んだ。
夜は21時消灯だったが、全員がその前に寝入った。

後編に続く。

暑さを避け筑波山の北側をハイキング

5月19日に筑波山の北側を歩いて来た。この日、つくば市の10時の気温は27.3℃(最高気温は30.0℃)で、歩き出す前から暑かった。登山道ですれ違った人からも「暑い」という声が聞こえていた。この日はゆっくり歩くことにして、10時30分にキャンプ場を出発した。首に濡れた手ぬぐいを掛けて暑さをしのいだが、午前中は風がなくて閉口した。(地図や写真はクリックすると大きくなります。)

この日は植物観察が主目的だったので、観察した植物を中心にご覧いただきたい。
登山口付近ではハルジオンに交じって、ハナニガナが咲いていた。

ハナニガナ(花苦菜、Ixeris dentata var. albiflora f. amplifolia、キク科ニガナ属の多年草)
頭花は舌状花だけで構成されており、ニガナの小花が5個であるのに対し、7~11個程度ある。

 

登山道は緩やかな傾斜が続き歩きやすい。スギ林の林縁で、ツクバネソウが木漏れ日を受けて鮮やかだった。
 

ツクバネソウ(衝羽根草、Paris tetraphylla、シュロソウ科ツクバネソウ属の多年草)

標高を上げていくとミヤマシキミが緑色の実を付けていた。

ミヤマシキミ(深山樒、Skimmia japonica、ミカン科ミヤマシキミ属の常緑低木)

ヤマツツジを複数見たが、ほとんどが花の盛期を過ぎていた。数少ない見頃の花を付けていた樹を撮影した。

ヤマツツジ(山躑躅、Rhododendron kaempferi var. kaempferi、ツツジ科ツツジ属の半落葉低木)

ツクバネウツギも観ることができた。スイカズラ科のこの植物は、筑波山の北側の登山道でよく見かける。
ツクバネウツギ(衝羽根空木、Abelia spathulata、スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木)

林縁にエンレイソウらしき植物を観た。今ごろまだ咲いているのだろうか?

エンレイソウ(延齢草、Trillium smallii、シュロソウ科エンレイソウ属の多年草)

さらにはユキザサがまだ咲き残っていた。

・ユキザサ(雪笹、Maianthemum japonicum、、キジカクシ科マイヅルソウ属の多年草)

標高800m付近で腰を下ろすのにちょうど良い岩があったので、そこで昼食を摂った。近くにチゴユリが群生していた。
チゴユリ(稚児百合、Disporum smilacinum、イヌサフラン科チゴユリ属の多年草)

 

女体山の手前で小さなスミレを観た。筑波山でよく見られるスミレとして、タチツボスミレ、エイザンスミレ、フモトスミレ、ナガバノスミレサイシン、ヒナスミレがあるようだが、どれとも違うように思えた。

・スミレの仲間

 

12時05分に女体山の山頂に着いた。山頂に立ったが、遠くは見えなかった。

 

御幸ヶ原へ下る途中でシソ科の鮮やかな群落を観た。以前にも観ていたが名前を思い出せなかった。帰宅後ヒイラギソウだと分かった。

ヒイラギソウ(柊草、Ajuga incisa、シソ科キランソウ属の多年草)

 

御幸ヶ原のトイレで首に掛ける手ぬぐいを濡らし、男体山へ向かった。茶屋の裏手に鮮やかなツツジが咲いていた。恐らく園芸種を植栽したものだろうと思った。

男体山に12時48分に着いた。お参りをして自然研究路に向かって下山した。

当初の予定では自然研究路を一周するつもりだったが、長らく通行止めとなっていた立身石へのルートが通れたので、そちらへ向かった。誰も来ていなかったので、岩陰の涼しい所でコーヒーを淹れて休んだ。近くで白いスミレを再び観た。

 
御幸ヶ原へ戻り、男女川(みなのがわ)の源流にある紫峰杉(しほうすぎ)を観に行った。推定樹齢は約800年。幹周り約7m、高さ約40mの巨大スギは迫力満点であった。何より800年の樹齢にして、今も若々しいのが素晴しかった。筑波山に登られる方は、是非このスギを観に行って欲しいと思う。御幸ヶ原からは1分で行ける。

御幸ヶ原から紫峰杉が生える男女川源流に降りる途中に、推定樹齢数百年の巨大ブナもあるので、これも見逃せない。胸高直径125.6cm、高さは25~30mとのことである。

御幸ヶ原に戻り、深峰歩道(みかみねほどう)を通って下山した。このコースは筑波山の登山道の中で、もっとも簡単に登れてつまらないコースだ。道の半分はコンクリートで舗装されている。しかし道脇の植物は豊富だ。
ヤマブキソウが咲いていた。

ヤマブキソウ(山吹草、Hylomecon japonica、ケシ科ヤマブキソウ属の多年草)

ヤマエンゴサクも観られた。

ヤマエンゴサク(山延胡索、Corydalis lineariloba、ケシ科キケマン属の多年草)

ニリンソウの残花を観ることができた。

今朝登り始めてから、あちこちでつぼみが観られたコゴメウツギが、ここでは花開いていた。
コゴメウツギ(小米空木、Stephanandra incisa、バラ科コゴメウツギ属の落葉低木)

こちらのバラ科の花は、花径が3cmで花の数は少なかった。モリイバラだとすると茨城県のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている貴重な植物だ。ちなみに茨城県の県の花はバラである。

モリイバラ(森茨、Rosa onoei var. hakonensis、バラ科バラ属の落葉低木)

 

ツクバネウツギもたくさん咲いていた。

 

こちらは花序の形を観るとフタリシズカのように見えるが、花序は1本だけだった。GoogleのAIの情報では、花序が1本のフタリシズカは珍しくないとのことだった。

フタリシズカ(二人静、Chloranthus serratus、センリョウ科チャラン属の多年草)

標高800m付近で観たスミレと同じものを何度か見かけた。

 

ヤマエンゴサクやナルコユリの仲間(ミヤマナルコユリ?)も何度か見かけた。

 

最後は林道を歩いてクルマを駐めておいた出発点に戻った。途中コゴメウツギが満開で咲いていたし、ハコネウツギらしき花も観ることができた。

 

この日は4時間あまりを掛けて5.9kmを歩いた。累積標高差は540mで、暑い日のハイキングとしてはちょうど良かった。次回は涼しげな山に出かけよう。

暑さを避け筑波山の北側をハイキング(完)